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話題の映画化!の書籍【漁港の肉子ちゃん】西加奈子

こんにちわ!
本日お送りするのは、長女のヅキモです。
近頃はうっとおしい雨も続きますが、この季節ならではの
紫陽花にときめきながら、過ごしております。

さてさて、今日は今話題の作品をご紹介!
明石家さんまさん映画監督を務めた、
【漁港の肉子ちゃん】の、書評だよ~~~

サラバ!で爆発的人気がでた西加奈子さんですが、
実は他にも面白い作品が多々ある!!
中でも、この【漁港の肉子ちゃん】が
ヅキモはとっても好き。
ではでは、ぜひ見てってください♪♪

ありのまま生きる

幸せを象徴するような肉子ちゃん。

閉鎖的な田舎の漁港に引っ越して、
昔から住んでました風に溶け込める肉子ちゃん。

ダメンズに散々ひっかかる肉子ちゃん。
その名の通り、丸くて肉肉しくて、豪快な肉子ちゃん。
娘、きくりんのことが大好きな肉子ちゃん。
パッと見、申し訳ないけど、綺麗ではない。(みたことはないけど。笑)
でも、ありのままの自分に何の疑いもなく、ありのままの他人にも何の疑いもなく、
そのまんま全てを受け入れて進んでいく。

強い、、、強すぎる、、、。
そして、最強に明るい。
もうね、好きになるしかない。
側にいたら眩しすぎるかもで、うるさすぎるかもやけど、

幸せの理想系。
見た目じゃない、生きざま(こういうと大げさ)で人から羨望される人って
なかなかいない。

だってさ、ありのままの自分でないと、
本当にほしいものや出会いたいものとは絶対に出会えない

=幸せにはなれない。(極論?)
肉子ちゃんはただありのままで居続けて、
目の前の人たちを受け入れていく。

そこに欲望があるようには感じない。
ただ、ありのままでそこにいて、大切な娘、きくりんと営んでいくだけ。

幸せを手にしている人は、多くを求めなくても全てを手にしているかのような。

今、コミュニティーの広がりから、
出会ったこともない数多くの人達と出会った気分になれてしまう。

そして、ともすれば、なんてちっぽけな自分、、、って肩を落としたり、
自信をなくしてしまう人も多くいる。

それ以前に、他人と比べられるのが常習化して、
ありのままの自分すらわからない人も多いのでは。

どこへ戻ってどこから自分探し???
果てしない(。´Д⊂)
この本は、そんな人達や自信をなくしかけたひとたちに
西加奈子が送る最高の読書体験である。

思春期の葛藤

ヅキモもありましたよ~思春期。

何回か家出も体験済み。
周りと比べて自信なくすなんて序の口。
何のために生まれてきたのか、、、
なんてくっらーーーいこと、ずっと考えてた。

答えはそのときには見つからなかった。

だから、きくりんの気持ちもわかる。
肉子ちゃんが母なら、もっと肉子ちゃんにイラついていたと思う。
だって、あんな容姿なのにみんなに愛されて、
肩の力を抜いてありのまま生きていけるなんて
羨ましいし悔しい。

なのに大好きなんやから、思春期のときなんてパニックよね笑
でも、きくりんは大きく荒れずに世に言う良い子。

思春期って、親に守られてた自分から自立心が芽生えて、
それでもまだまだ親の保護下にいる自分が悔しくて、
親にあたっちゃう  
っていう時期やんか。
現代の子は思春期がないっていうけど、果たして自立心はあるのか!?
思春期も自立心もなければ、結構危ない気がする。

きくりんが根本的に思春期のくせに良い子でいるのは、
ラストで理由がわかるんだけども、

肉子ちゃんとは対照的に見映えのする可愛い子なのに、
何せ、自信がない。

そこにもまた根本的な原因が深く絡んでるんやけど、
この対照的な肉子ちゃんときくりんの生活がおもしろい。

どっちが母でどっちが娘かな?と思うことも。

きくりんは、自分に自信がないことも相まって、
静かに、他人に迷惑をかけずに、思春期の葛藤をやり過ごそうとする。

でも、そんなきくりんのことを肉子ちゃん以外にちゃんと見ている大人がいる。
肉子ちゃんが働く焼肉屋『うをがし』の店長、サッサン。
こういう繋がりが田舎ならではやなーとほのぼのしたり。
サッサンがきくりんにトドメをさすシーンがあって、
私もトドメをさされたのでこれだけはお伝えしたい。

『生きてる限りはひとに迷惑はかけるから、びびってたらあかん!!』
みたいなことを方言混じりに言うんよ。

たった一人で生きていく覚悟なんてできないんやから、
私は人に迷惑をかけて生きていこうと強く思った。
その代わり、人に迷惑もかけてもらおうと
それが、人が人と生きるってことやろがーーーい!!
ってサッサンが言うてた。たぶん。笑

そして、もう一つ。他人がいるから比べることができる。
比べることができるから、自分を知る
他人と比べたらダメなのではなくて、自分ってどんな人なのか知るために比べたい。
その中で、あんな風になりたい!と思ったら、
それがありのままの心で、あとは努力するのみ。

すぐに諦めたり、どうせ私は、、、って人のせいにして勝手に孤独になっていくなんて、
そんなおもしろくない人生めんどくさい!!

大人になっても人と比べて思春期みたいにもんもんとするなら、
憧れるものへ近づく努力をやってみたら良いってこと。

努力もせずに悲観的になってはいかん

思春期から脱皮できたときに、広がる世界の鮮やかなこと!
本当の自分を噛み締めながら歩いていく
きくりんのこれからが眩しい。
読後、目を細めるヅキモがいたのでした。

自分を認め、愛するところから始まる世界

何をするにも、ここがスタートだと思っているヅキモ。
自分のことが嫌い、死んだ方がまし。
なんて言う奴、怒り!
自分を愛して認めてあげないと、心にフィルターがかかっちゃう。
何を食べて美味しいと思っても、何かをして楽しいと思っても、
自分が嫌いな自分が感じること と思ったら、
素直に感情を受け止められないし、
本当の意味で誰かや何かを好きにはなれない。

でも、自分のことが好きだったら、
ものすごくダイレクトに美味しくて楽しいんよ。
感動よ、毎日が。

いつぞやTVでデヴィ夫人が元気に長生きの秘訣を語ってて、
毎日感動することって言ってたの思い出した。

きっと夫人は自分のことが大好きやから、
美味しいとか嬉しいとか、毎日感じる些細な感情にも最大級に感動できるのではないかと。

全く同じことを経験していても、
心の持ち方で重ねる思いでと感情に大差が生まれてくる。

何かをすればするほど自分が好きになる人と、
すればするほど自分のことを嫌いになる人。

それはいかーーーん!
ので、幼少期にたくさん誉めてあげたいし、愛を伝えてあげたい。
自分のことを好きになるなんて、
好きだと感じる人達から好きだと言ってもらえたり、
好きなものに没頭することくらいでしかなかなか見いだせない。

きくりんは少し斜めやけど、
これまでに死ぬほど肉子ちゃんの愛情を感じてきたから、
ちゃんと自分のことが大好きな大人になれるって思った。

ここから始まる本当の自分の人生を歩んでいくことが、私は自立だと思う
人に何言われようが、自分の好きを信じていける強さ

肉子ちゃんが教えてくれた強さを手に、
きくりんの世界が広がっていくと思ったら、ラストは泣けた。

最高の親子に泣かされました。

もっと自分を愛することのできる人達が増えたら、世界は変わる気がするな。
あと、勘違いしちゃダメなのが、自分を好きでいることは自分をあまやかすことではない。
『好きな自分』でいるために、自己研鑽をやめてはいけないということ。
自分を諦めないということ。

大人の務めはいつの日か、
そんな自立できる子供を育てることだったのか!!!

肉子ちゃん、否、西さん、
素敵な親子に出会わせてくれてありがとう。

・ありのままの自分で生きることに息苦しさを感じている人
・自分って??と、本当の自分を探し中の人
・自分に自信がもてなくて悩んでいる人
・サッサンに喝を入れてほしい人
・人の温かさに埋もれたい人
・絶賛思春期中の人

オススメします\(^o^)/

では、本日はこのへんで!
コメントはネタバレなしでお願いいたしますm(__)m

ミカヅキモでした~