ミジンコ初めての本屋大賞受賞作紹介!
今日のミジンコは今最も騒がれている小説と言っても過言ではない本屋大賞受賞作を紹介するで!
単行本って凄く高いなぁ〜って思うんやけど、
本屋大賞受賞!とか言われると文庫本になるまで待てへんねん。
やから、とりあえず購入して一回読んだらフリマアプリで売るっていうのを一連の流れにしてるねんな。
そもそも、あんまり本屋大賞って信用してなくて本屋大賞やからって凄い名作とは限らんって思ってる。
わかりやすさは、ピカイチやけど物足りひんものも多いかなぁと…
だから、単行本って数え切れへんくらいフリマアプリに出してきたミジンコなのよ。
ほんで、52ヘルツのクジラたちね。
ベストセラーになってるし、本屋大賞やし、あと表紙が好みやったのもあってね。軽い気持ちで買ったわけ…
この本を売るか否か
「この本も売るやつかー?」
って言われてさ…
「はぁ!?なんちゅーこというのよ!その本は絶対売らんからな!!てか、触らんといて!!」
って野蛮人を睨みつけるかのごとく叫んだわ。
こんな名作を本棚に並べずに平気でフリマアプリに出すようなやつとは仲良くなれませんよ。
メルカリも商売あがったりやで!
そんなことはどうでもええねん。
とにかく、皆よんでくれ。
「まっ、おもんなくてもフリマアプリで売ればいっかー」
って軽い気持ちで買って、そのまま思いがけず本棚に大事にしまうことになってくれ。
たのむっ!
そんくらいよかったよ。絶対よんでほしいね。
絶望の海に沈むがよい
何回もどーーん。って気持ちが沈むねん。
でも、しつこくはないから、しんどくて読み進められへんってことはなくて。
むしろサクサク読み進めてしまえるから不思議。
おかげで思いがけず海の底を見る羽目になったわ。
思えば私が読書で絶望を味わったのは小林万里子の欲望を読んだ時やったけど、
あの人は文章力の鬼やから、頭いたくなってくるというか、頭おかしくなってくるんやけど、
その緻密な文章力ゆえに読書慣れしてない人には厳しいものがあると思う。
でもこの本は、そんなに鬼のような文章力でかかれてるわけじゃないのに、
読者を数回、少なくとも一回は海の底に沈めてくんねん。
読みながら
「あぁ、死にたいってそーゆー時に思うものかしら」
って凄い死を現実的に考えてしまうほど辛い物語やったなぁ。
この物語のキーポイントは聴くこと、聴いてもらうことや。
詳しくは読んでもらったら分かるけどその辺りをクジラの52ヘルツの声と合わせてくるあたり、なんともオシャレやなぁ。
そんな孤独な生き物がいるってだけで普通に胸が締め付けられるしさ…
とりあえず聞いて
聞いてると思うのは傲慢で、聞きたいと伝え続けることが、相手の声をきくってことなのかもしれんなと。
沢山話しているようで、実は大事なことは何も伝えられてないとか、よくある話やと思う。
本間に人の声を聞いてる人ってどのくらいいるんですかって話やん。
ウチなんて、年に何回「話聞けよ」って言われてるか分からんくらいや。
ウチも含めてやけど、人の声を聞けるようになるには、まずは聞いてもらうことが必要やのに、みんな聞いて聞いてってそればっかりになりすぎてるんかもしれん。
耳が聞こえることに甘えて、話し合ったつもりになって、人の声を無視してると恐ろしい悲劇がまってるのよ。
それでも取り返しのつかんような悲劇が沢山生まれる中で、自分の声を聴いてくれる人に出会えたら、それだけで救いはあるんかなぁ…?
そこはビミョーなとこやけど。そんな感じの物語やな。
とにかく、珍しい形の深い絶望を思いがけず味わうことになって、しんどかったわ。
でも読書でそこまでの絶望を体験することってなかなかないし、それだけでも貴重かも。
この本をよんで私は人の声を聴ける人になりたいと思ったね。
小説にそんな風に思わされるなんて、凄いよね。
願わくば、物語に出てくる全ての人に救いがあるように願うよ。まぁ、無理やけどな…
・かなり重たい話で2度読むのはしんどいが確かな感動がある。
・読書初心者でも楽しめる。
・色々と飽きない展開があるので、淡々とした物語が苦手な人にも向いてる。
・読み終わったら大切な人の声が聞きたくなる