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ほっこり泣ける「ツバキ文具店」小川糸

皆さん、こんにちは。次女のミジンコです。
微生物の代表といえばウチでしょ。ミジンコでしょ!
言っとくけどミラクスとミカヅキの感性をあてにするのは危険やで!あの二人、本物の変人やからな。
というわけで微生物兄弟の中で断トツ普通の感性を持ち合わせてるウチの話を参考にするのが安全よ〜

特徴的な文章に癒される1冊

今回ご紹介するのはドラマ化もされた小川糸さんの人気本。「ツバキ文具店」

鎌倉で小さな文具店を営むかたわら、手紙の代書を請け負う鳩子。今日も風変わりな依頼が舞い込みます。友人への絶縁状、借金のお断り、天国からの手紙……。身近だからこそ伝えられない依頼者の心に寄り添ううち、仲違いしたまま逝ってしまった祖母への想いに気づいていく。大切な人への想い、「ツバキ文具店」があなたに代わってお届けします。

amazonより
そもそもの話していい?
ミジンコのウチが読書体験に求めてるのは心温まることやからね。
ドンパチとか、どんでん返しとか、殺人とかそんなんええねん。
この世知辛い世の中を生き抜くためにあったかーーーい話を求めてんねん!!
そこのあなたもそーやろ!?
そーやったとしたら、小川糸さんを選ぶあたり絶対間違ってないよ!!

こしょこしょされる読書体験

小川糸さんを一冊でも読んだことがある人なら分かると思うけど、
とにかく優しく癒やされる文体が特徴的。

読んでいると心をコショコショとこそばされるような感覚というか、
「ジワジワ…シミシミ…」
みたいな音をたてながら心にゆるーい温度が広がっていく。あぁ…染みる!!
これは多分、作者の使う比喩の効果のなせるわざ。
多分小川糸は、人の想いや人と人との間に生まれる感情を読む人に届けたい作家なんやと思う。
そして、そのために沢山の面白い比喩表現が出てくる。それが面白かった。
例え話って、誰でも何気なく使ってるけど、
校長先生が朝礼でダラダラ使うようなかっこわるい比喩じゃなくて、

この小説にはなんともいえない魅力を感じる例えが沢山出てくる。
考えてみたら、芸人さんが使う例えとかって絶妙に近い例えができてるから面白いんじゃなくて、
そんな予想もしないところと眼の前に起きた出来事を例えてしまうのか!!
っていう意外性が面白いわけやん?
フットボールアワー後藤さんの、出演者が突飛もない話をした時に言わはる、
「高低差で耳キーンなるわ!」
とか流行ってたけど、あれ凄いやん。
誰でも高低差で耳キーンってなったこと一回はありますやん。
だから分かるーってなって関係のないTVの向こうの人のことを笑ってしまえるわけやねん。
だから例える力って本間にすごい。
使い方によっては、よりよい理解を、笑いを、感動をも生むわけよ。
で!!
小川糸の使う比喩は意外性もそうなんやけど、
色んな感情を日常の身近なものや生活に根ざしているものに例えてくるものやから、
嫌でもキャラクターに親近感がわくねんな〜。ずるいわ〜

わかるわかるー!
とはならなくても、こーゆー気持ちなんかなって想像ができてしまうんよね。
この想像の力で登場人物の気持ちに寄り添いながら読書ができるし、
物語と自分との距離がグッと近くなる。

読書において主人公に感情移入できるかできないかって凄く重要やん。
でも、小川糸の小説にでてくる人って凄く優しくて美しいから、
たまに感情移入できひん時もある。

そんな時でも、心の情景だけは浮かぶし言いたいことは分かるから自分にはまれば、
わかるーーーってなることもあるし大半は、
「ふふっ、分かりそうで分からんな。だが絶妙に愛しいわ!」
みたいな具合で登場人物たちを愛でることができるねん。

 

手紙の魅力

あと、この本を語るにおいて、実は本当に言いたいことは一つしかない。
出てくる手紙の魅力!!

それにつきる。主人公が、代筆屋として色んな手紙を書くんやけど、その手紙が本当に素敵!!
知らなかった手紙のルールを知ることができたり、
丁寧に相手のことを考えて手紙を書くってこういうことなのかっ!

っていう初めての発見があったりする。
書く人の伝えたいことは一つやのに、読む人への伝わり方は本当に色々やから、
なるべく自分の思いに近い手紙を届けたくて、書き方に徹底的にこだわる主人公。
そんなふうに誰かに手紙なんて書いたことがなかったミジンコのウチにとってはそれだけで衝撃やった。

しかも!!
出てくる手紙の文字が手書きなのよ!!凄い新鮮な読書体験ができる。
手書きの文字が出てくるだけで、手紙の雰囲気や登場人物の気持ちが浮き上がってみえるし世界観が生きてくる。

メールやSNSの普及により、温度のない言葉が溢れた社会を生き抜く現代人に、
手紙の温度の素晴らしさを再確認させてくれる一冊やった!
そのせいなのか、読了後にやたらと周りの人に熱めの手紙を書いてしまったやんか……
あぁ、恥ずかしい…
みんな読み終わってすぐにペンをとるのはやめときや!
手紙という言葉を聞いただけで黒歴史を思い出すような人生を送りたくなければな…
あとやっぱり手紙って泣けちゃうよね。
ずるいわ。だって手紙だもん。手書きやもん。
卑怯やわ〜
・読みやすいので若い人や読書初心者でも楽しめる

・ほっこり癒やされたい人、爽やかな感動が欲しい人オススメ

・大切な人に手紙を書きたくなること間違いなし

・ドキドキハラハラしたい人には物足りないかも

※コメント欄でのネタバレ投稿禁止やで~