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涙に濡れる「その日のまえに」 重松清

こんにちは!今回のミジンコが紹介するのは…                                       何時に読めば正解なのか分からない小説を書くことでお馴染みの作家重松清さん。                       映画化もされた人気小説「その日のまえに」やで。

とにかく泣ける名作                                                                   

その日ってどの日ですか。何の日ですか。っていう疑問はあらすじの時点で書かれてるねんで~

ただのドSオヤジ

「その日」って言うのはいわゆるXデーと言いますか、大切な人が亡くなる日のことをさしてる。
多くの子供が小さい頃に体験する感情なんやけど、死の概念を理解すると、まず最初に、
「いつか自分のお母さんにも死が訪れるか!」
という衝撃に撃ち抜かれる日が来るんよ。
覚えてない人おおいと思うけど、これ殆どの子どもが体験してるからね。
こう見えて子どもの心理には詳しいミジンコなのよ。笑 
でも、そんな恐怖もずっと感じてたら頭おかしくなるから。
日常の中にその感情は埋めていくわけ。

それくらい大切な人の死は恐ろしく悲しいもので直視するのが難しい。
それを真っ向から描いて読者の目の前に突き出すあたり、
重松清はホッコリ作品を沢山生み出してはいるけど、
あー見えてドSかもしれんよ。
ていうか、読者をここまで泣かせてる作家もなかなかおらんやろーから、
まごうことなきドSオヤジやねん。
読むうちにじわじわじわじわ、その日が迫ってきて、
読みすすめるのが難しくなる人もいるんちゃうかな。
大切な人の死を描いたお涙頂戴の作品って腐るほど世の中には溢れてて、
断トツ普通の感性を持ち合わせてるウチやからどんな作品でもある程度は感動しちゃうんやけど、
その中でも、「その日のまえに」は凄いねん。

とにかく泣ける

紹介文を見てもらえばわかると思うけど、この本を涙無しに読むことは不可能やねん。
皆おしえてほしいんやけど、泣ける本って、どの時間帯に読んでるん?
ウチは朝っぱらから泣きたくないし、かといって昼過ぎに目はらしてる奴も嫌やし、
夕方に泣くとそのあと呆然とするしかないし、
夜に泣くと眠れん挙げ句に次の日に目がはれるやん。

そやから重松清の本は今でこそ何時に読むのもためらわれるのに、
これを読んだ時は大学生で、まだ重松清の凄さを知らんかったからね。なめてたのよ。
ウチったら、あろうことか電車通学の間に読むという暴挙に出たからな。頭おかしいやろ。

現代風に言わせて。「まじ、あたおか〜」

何が凄いって亡くなった後ではなくて、大切な人を亡くす前の人の心情を詳細に描きすぎやねん。
何人、大切な人をなくしたらこんな文章が書けるねん。
ウチはこの世の最後の生き残りになったとしても書けへんわ。                         
こーなってくると重松清こそ、あたおか説濃厚や。

しかも、死を前にして悲しく絶望するのって当たり前やのにさぁ…
それやのに、物語の中にしっかり希望とか光が散りばめられてて、出てくる登場人物達は美しくて…
本を何回も閉じる理由は涙だけじゃなくて、物語の眩しさにもあるねんな。
だから、読んだ後に重たくならへんというか、「毎日を大切に生きていこう!キラキラッ」                               みたいな…目から謎の輝き出るからな。

実は電車の中で涙をこらえるあまり、「オエッ」って餌付いて白い目で見られてん。
でもその後、結局は我慢できずに号泣したから、白い目どころか周りの人、目むいてたはずやわ。
そんな奴らを無視して車内で1人、目キラキラさせてやったわ!!                       …本間にあのドS親父め…今度会ったら絶対にサイン貰ってやる…っ。
くれぐれもこの本を読むときの時間と場所には気をつけてや。
それから読了後しばらくは母親の体調を心配したかと思ったら、
キラキラした目で見つめたりもして、気持ち悪がられたのは
今では良い思い出やね…

・とにかく泣ける連作編                                                                                                     

・生きてる意味を見失ってる人必読、
 キラキラできるが読む場所は家以外にはあり得ない。                    

・正解の時間は無いので読者におまかせ。                                      

・眩しい物語が苦手な人にははまらないかも

※コメント欄でのネタバレも禁止やで~