読書感想・映画感想・ボドゲ紹介ブログはじめました!サイト鋭意製作中!

監禁された四人の真実 「そして扉は閉ざされた」岡嶋二人

どーも、ミクラステリアスです。
本日の紹介は本格ミステリ!ということでよろしくどーぞ。

4人監禁状態で推理する本格推理ミステリー

何がすごいって、せまい地下シェルターの中の推理と回想のみで
ストーリーが進む異例の構成を持つ本格ミステリ
記憶とメンバーとの会話のみで事故死として処理された友人の死の真相を解明できなければ
シェルターからだしてもらえない。(というか解明しても出られるかわからない笑 鬼である)
あれは誰かの殺人だったのか?
事故だったのなら一体どういう事故だったのか。
事故死した友人の遺族に監禁され、真実の告白か解明を迫られた4人が
死に物狂いで推理する!設定だけで本格ミステリ好きなら興味津々な1冊!
そして4人のそれぞれの思惑と嘘と本音の出来事との絡み具合が非常によく練られていて
真相も含め、日本の本格ミステリ界に残るパズラーの1冊となっている。
古今東西、本格ミステリは沢山あり、
似たような設定や模倣、オマージュが多い中で、設定がすでに個性的で斬新。
かつ、中身も本格の巨匠たちをも唸らせている作品!ヨダレが出るな!
本格ミステリ好きの人なら絶対に読書歴に陳列しておきたいタイトルなのである。
もはや言われなくても本格好きな人はすでに全員読んでいる気がするので
このブログ超無意味感しかないな。笑
新しく本格ミステリ界に飛び込んだ諸君の目にこの記事が留まることを祈る。

本格推理小説でありながら超絶読みやすい

岡嶋二人というのはすでに解散しているのだが
徳山諄一と井上泉(現在 井上夢人で活動)の二人の共同執筆。
この井上泉さんの作品ってめっちゃ読みやすいんですよ。
SFみたいなのも書くんだけどとにかくめっちゃ読みやすい。
読みやすく情景が頭に入ってきやすい文章を書けるという最高の才能をお持ちで。
その才能わたしもほしかったよ!
毎回ブログの記事構成と文章に悩まずにすむだろうよ!
まぁ井上氏の苦悩や悩みなんて知らないわたしの戯れ言である。すいません。

いやでもね。本格ミステリって正直、サスペンスではなくて
パズラーじゃないですか。
要するに真相とトリックとそこへたどり着くまでに用意された
解明へのヒントの見せ方が重要というか。
正直、作品の読み味とか人間のリアルさとかって二の次であり
推理要素の面白さと意外さ、作者の仕掛けがすべてというか。
本格はそんな分野なので無駄に長いとか超読みにくいとかって多々あるんですが、
僕は個人的にそーゆーの嫌いなんですよね。読むよ?読むけどもさ。
でもこの作品は、優秀なパズラーでありながら圧倒的に読みやすく、
異常設定をうまく使ったサスペンスの緊迫感がそれなりにある。
よって、サクサク読みつつ真相推理も楽しめる。
やはり本格好きは読んでおくべき1冊なのである。

あくまで本格ミステリという分野の作品であると思え

いくら読みやすいとはいっても本格ミステリである。
結局のところ人間味とか魅力的な登場人物などを期待してはいけない。
本格ミステリとはパズルであり謎と仕掛けを楽しむものである
ゴミのような動機でサクサク人を殺して天才的なアリバイを作るやつもいるし
どんな謎も解いてしまう変人探偵もゴロゴロいる。
そんな分野である。
リアルな人間像を期待していては本格ミステリなど読めないのである。
なぜ狼は人語を操り赤ずきんを食べようとするのか、
そんなことをいちいち気にしていては童話は読めないように
本格ミステリに恐怖感やスリル、人間の感情や行動のリアリティを求めるのはタブーである。
別にタブーじゃないんだけど個人的にはタブーだと思っている。
そこ突っ込み出したら本格など読めたものではない。
どうして赤ずきんを赤ずきんちゃんと呼ばずに呼び捨てにするのか。
そんなことを気にしていてはミスラスのブログは読めないのである。
つまらぬことを気にしてはいけない。
あくまで本格は作者の仕掛けた罠と真相を楽しむものである。
と個人的には思っている。

本作も例に漏れない本格ミステリであるので
極限状態の監禁とはいえ、そこにスリルなどを求めていては
満足な読書体験にはならない。
ここで微生物との約束だ。
本格ミステリに、リアルとスリルとヒューマンドラマを求めない。絶対にだ。
よし、いい子だ。では早速、安心して、そして扉が閉ざされてほしい。
秀逸な本格ミステリの世界を堪能できるであろう・・・。
といっても本格の中だとかなりサスペンス感とかある方なんだけど 笑

いや~~~~~~
でも井上夢人ならもう少しいい人物描写できたとも思うんだけど
これを本格に求めるのは野暮かな~~~~
先ほどタブーだといいみなさんと約束まで交わした自分の言葉とは思えない発言が自分の口から出た。やべっ
この本びっくりするくらい登場人物に魅力ある人間がいないんだよな笑
まだ言うのか?
人間的に好きになれる人皆無なのよ。
まだ言うのね?
せめて主人公くらいちょっとは好感度とっても良かったんじゃぁないのかな~~
なんて思ったりもする。
めっちゃ言うやん・・・
こういうところって本格推理もの書いてる作者たち自体がまじで意識してないのか
一向に良くならないんですよ。
もう少しスリルやサスペンス感やハラハラドキドキ、
それから魅力的な登場人物が本格界に入り込んできたら
もっと読者層を獲得できるんじゃないかと思うんですよね~
なるほど!未来の本格の読者新規獲得と発展のための文句だったのね!すごい!
がしかし、現状のままで本格としての魅力を損なうことにはならないんですけどね!!
結局ぼくは本格ミステリ好き一派であるのだ。
よく言った!!!!!

・本格ミステリである
・本格の中でも圧倒的読みやすさ
・斬新な監禁設定がおもしろい
・登場人物4人の嘘と本音と感情の交差から真実を炙り出す過程が本格界の中でも特に優秀な読み味がある
・本格ミステリ好き以外の人がおもしろいと思うかは疑問である
・まじで登場人物に好感度の高いやつがいない 笑

本日はこの辺で。コメント欄でのネタバレ等も禁止でよろしく!