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伊坂流文章テクニック ホワイトラビット

こんにちは~!相変わらず切ないのがお好き、ミカヅキモです◎この度、兄のミクラスからオススメされたこの本を紹介したいと思います!

物語の構築を楽しめ!

あああああああ

ストーリーが行きつ戻りつ登場人物のそれぞれが主体になりつつ進んでいく
「え!?どういうこと??」という場面が出てきては、
そういうことか!と、繰り返しながら進んでいくので、
サクサク読めちゃう!
幸太郎氏が仕掛ける罠にはまっちゃったぜ!とおもったか否か、
次の瞬間にあっさりネタバレして、あれ?罠じゃなかったの??
を、繰り返すポップさ。
その感覚自体が新しくて、そのポップさ自体がもはや幸太郎氏の罠。
ストーリー云々カンヌンより、
伊坂幸太郎という作家の技量と幅をまざまざと魅せつけられる!!

語り部が魅力!

この物語には全体を俯瞰する語り部がでてくる。
暴行や、悪事、殺人などなど、
人生で実際に起こるとトラウマになりそうな
ことの連続で進んでいくのだが、
一切大げさに聞こえたり、ドラマチックな仕上がりになって、、、
いない。
そう、全く待って身に危険が迫るようなハラハラドキドキが、、、
ない。笑
何故かって??
驚くほどにこの語り部の温度が低いからーーー!
もうね、まさに他人事。結果がどうなっても知ったこっちゃない。
くらいの感覚の語り部なわけ。
それゆえ、ハードな内容もコメディータッチに仕上がっていて、
愉快に読み進めることができる。
また、さらに驚かされたのは、読者が読む前に物語の先や結末を
あっさりとばらしちゃうお茶目な語り部( *´艸`)★
関西生まれのヅキモとしては、
言うんかーーーい!!と突っ込まずにはいられない。
ストーリーを先に宣言されたり、ハードな場面も他人事感を
思わせる語り部が、
作品そのものを邪魔していそうで、なんともうまい具合に
読者にページをめくらせていく、新しい読書体験

 
ミカヅキモ
なんとも複雑な語り部ね!

「正義」とは「悪」とは

物語がわりとはちゃめちゃに進んでいく中でこのテーマは流れ続ける。
世に言う「悪人」が多く出てくるのだが、
その悪人の中に人の好さが見え隠れしたり、
一見善人なのだが、悪い部分も持ち合わせていたり。
作中に、「罪のない人間なんてありえない。」とある。
罪を背負って生まれるからこそ、できるだけ正しくありたいと
願いながら生きていく。
<正しくありたい>と願うことは、
イコール 正しさではない ことを
いつまでも探し続ける旅でしかないことなんかを
深みにはまらせず、サックリ伝えてもくれた作品。

・話の内容を楽しむというよりは話の構造がなんとも面白い作品
・伊坂幸太郎の幅広さに震える
・ぜひあなたも語り部に翻弄されろ!
・ミステリ作品の中でも新しい読書体験感
・ハードな内容ではあるが、コメディーなので

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さようなら